ギルバート・グレイプ

大阪公演、19日夜と20日昼に行ってきました。
舞台は生ものというのを実感した2日間。観る方も演じる方も毎回同じコンディションではないし、タイミングや空気というのは日々変化します。
19日が悪かったわけではないのですが、20日はものすごかったです。
内容に触れるので隠します。
エンドラーという田舎町に住むギルバート。
彼が7歳のときに父親は首を吊って自殺をし、それ以来母親はソファに座り食べ続け今では動くことも困難な状態に。
日々母親に似てくることを恐れている10歳上の姉と自分のことばかり考えている妹と、知恵遅れで10歳まで命がもたないであろうといわれつつも18歳の誕生日を迎えようとしている弟。
ギルバートを取り巻く閉塞感は、彼が選ぶことができない環境もあるけど、あえて意識せずに彼が作りあげているものもある。
彼自身が自分を縛り続けているものは苦しくて苦しくて。でもそこにいることで自分の存在感を感じていたのかもしれないなと思います。
大事に守り続けていたその世界を壊したのもギルバート。そして母親に「お前なんて大嫌いだ」と言わされた時の表情…これは絶対に忘れない。
状況を伝えるモノローグもあり、まるちゃんはものすごい台詞量でしかしそれを確実に自分のものにしていたと思います。
ギルバートがまるちゃんの体全体に入っていたように感じました。
ああああ、もう本当にありがとう、すごかったという言葉だけしか出てこなかった。この舞台を数回観る事ができて本当によかった。すごい瞬間に立ち会っているのだなと思います。
ありがとうございました。
そして23日の千秋楽にもう1回観てきます。楽しみ。