マクベス(7月3日)

千穐楽まで観ることができない予定だったマクベスですが、ありがたいことにお友達に声をかけていただき、7月3日も観ることができました。

 

1階のM列。上手側ですが囲むような座席なのでやはり見やすいグローブ座。

上下2段のセットはシンプルで後方から光が当たってる感じ。

場面は戦いのシーンから始まります。

マクベスの殺陣…かっこいい…(思わず本音)。

勝利を得たマクベスですが、「こんないいとも悪いとも言える日ははじめてだ」と複雑な心境。

王の待つ城に帰る途中、マクベスとバンクオウが出会う三人の魔女。この魔女(劇中では魔物)がよかった。ダンサーの方が演じられているとのこと。歌と踊りでいろいろな場面でマクベスの物語の中に忍び込んでます。

衣装も帽子の下に目のところだけ照らされるライトが仕掛けられている、妖しい雰囲気がよく出てる。

魔物の言葉を聞き、半信半疑だったマクベスも、王からコーダーの領主を任じられたところで野心がめらめらと沸いてくるのです。

しかし、マクベス夫人も言っていたように、マクベスは基本的に完全な悪者になれない男。ここがたぶん女心をきいいいいいっとさせてしまうのかも。

一旦は王の暗殺を妻に打ち明けるのに、いざとなるとやっぱりやめようかと怖気ついてしまう。しかし、腹が座った妻は怖い。

「これからはあなたの愛もそんなものだったと思うことにしましょう」とびしっと突き放す妻。こわーーーー。

マクベスってほとんど知らない中で、妻が悪妻でって印象があったのですが、今回の鈴木さんの演出だと、妻の必死さの方が感じます。マクベスも妻も良心の呵責から逃れられないがゆえに狂い始めてしまう。

この、だんだん幻覚が見えて己の恐怖によって狂い始めるマクベスの表情。一瞬理性を取り戻してまた取りつかれる、ここが!(テーブル叩きたい)よい!(ドン!)

狂気にとらわれるまるやまさんの役を…!と長年思っていた身としては、堪能シーン。

グローブ座ではただただその顔を頑張って凝視するだけでしたが、7月7日のライブビューイングではありがたいことに、アップがたくさんあり、細かな表情まで観ることができて、さらにその変化を感じることができました。

マクベスが殺したダンカン王も、友達のバンクオウもどちらも人間的に大きく勇敢で、人から憎まれるという部分がない偉大な人。

なんでマクベスこうなってしまったんだろうなぁ…って(そう言ってしまったらこの話は成り立たないのだけど)思ってしまう。悪いなら悪いで徹底できないマクベスの悲劇。

千穐楽までにまた変化はあるのでしょうか。楽しみでなりません。